AFCチャンピオンズリーグ(ヨーロッパで行われているのはUEFAチャンピオンズリーグで、なら世界でやるのはFIFAチャンピオンズリーグにすれば良いのにとか思ったりしますが、名称一つとってもFIFAとUEFAの駆け引きとかあるのでしょう)の第2戦が行われました。
予想されていた通り、数多くのレッズサポーターが現地に駆けつけました。
私もかつて、マンチェスターでレッズサポここにありと示してやろうと思っていましたが、今回は所用でお休みです。
自宅で友人と一緒にテレビで観戦していました。
レッズは日に日に進化しています。
今現在、オジェック監督の色というのは、左サイドハーフとして起用した、小野伸二の存在であろうかと思います。
ヴァンフォーレ甲府戦でも同様の構図が見られましたが、相手が高い位置でサイドに選手を配した場合(ヴァンフォーレもこの日のシドニーFCも3トップ)、レッズで左右のサイドハーフに配されている山田暢久、伸二のポジションが、相手を警戒するあまりどうしても低いところから始まることになってしまいます。
暢久の場合、ディフェンダーとしての経験も多いため、それでも何とかこなしてしまいますが、伸二の場合なかなかそういうわけには行かず、守備も攻撃も中途半端になってしまい、結果としてそのサイドをフリーにしてしまう局面が目立ちました。
同様の現象は上記の2試合の他、アルビレックス新潟戦の前半、ゼロックススーパーカップでも見られたことで、このことはディフェンスの組織整備など、徐々に改善されてきたレッズに、まだ残された課題なのではないかと私は考えています。
つまりそれは逆説的に、オジェック監督の目指すものを指し示しているのではないだろうかと思うのです。
レッズはゼロックス杯の大敗という形でシーズンスタートの号砲を聞いたわけですが、開幕の横浜FC戦では闘莉王の発熱などの問題があり、急遽阿部勇樹をDFラインに下げ、伸二を中盤の底に、相馬崇人を左サイドへ配する形でスタートしました。
AFCチャンピオンズリーグの第1戦、ペルシク・ケディリ戦でも同様、この2戦では、まだまだうまく行かないところもありましたが、私には伸二も相馬も、その能力をある程度発揮できた印象が残っています。
続くアルビレックス新潟戦、闘莉王が復帰したため、阿部が中盤に戻り、伸二は再び左サイドに入ります。
相馬はベンチで控えとなりました。
すると再び、伸二はサイドで孤立し、チームも上手くゲームを進められない展開が続いたのです。
この試合では前半30分にレッズが先制すると、(相手がそれ以上の失点を恐れて下がったりしたためか)伸二は高い位置でプレーできるようになり、2点目を取った直後など、前線から激しくプレッシャーをかけてボールを奪うなど、「今年一番の出来」と称されるようなゲーム展開を実現することができました(もちろんゲームを上手くクローズすることができなかったという不出来を除けば、ですが)。
次のヴァンフォーレ甲府戦でも同じメンバー、同じ形でスタートします。
そして再び伸二は最終ラインに拘束され、攻撃に貢献することがあまりできませんでした。
このゲームではうって変わって、それまで鳴りを潜めていた右サイドの暢久の攻撃参加が目立ちました。
ワシントンの2得点でリードした後、負傷したネネのところに、リハビリから復帰したばかりの長谷部誠が投入され、長谷部は中盤に、阿部が最終ラインに入ります。
そうするとその後、伸二の動きも見違えるようになったのです(結局その後追加点は取れませんでしたが)。
この日のシドニーFC戦でも、同じ現象が起こりました。
同じ原因で同じ現象が起きる、論理的には正しい帰結というべきでしょう。
伸二の出来が悪い(というか左サイドでボールが持てない)ということがチームがうまく行かない唯一の原因というわけではありませんでしたが、伸二の能力を持ってすれば打開できるはずなのにできていない、そういう意味で同じ現象が起きたということなのです。
2点を奪われた時点まで、失点したということだけでなく、ボール回しも上手くいかないなど、内容的にもあまり誉められたものではありませんでした。
ポンテの素晴らしいシュートで同点に追いついた後、ネネの負傷で長谷部が投入されると、1点返した後の勢いがある状況ということもあり、伸二や長谷部を中心としてゲーム内容自体が劇的に改善したのです。
後半からは暢久を最終ラインに下げ、永井とポンテをウィング的に両サイドへ広げた、いうなれば4-3-3的なポジションに変更し、永井の同点ゴールを生んだのですが、そのこと(ポジション変更)自体はこの際そんなに重要ではないように思えます。
伸二はボール扱いが巧みで、ボールを持たせるとそう簡単に奪われませんが、スペースへ飛び出した相手選手にスピードで付いていったり、クロスを上げさせないためにボールホルダーとの距離をすばやく詰めたり、そうしたことはやや苦手としています。
また、どちらかと言えばボールをワンタッチで離して、シンプルに、かつ決定的なプレーを展開するのを最大の持ち味としています。
そんなこともあって、味方と離れ、相手選手に囲まれた場所でボールを持たせるのは、彼の持ち味を殺し、そのことでチーム全体を危殆に瀕させる結果となっているのです。
簡単に言えば、そのやり方は機能していないということなのですが、オジェックはそれを知りつつ、なおこのやり方を繰り返しています。
ここには、オジェックの意思をみることができるでしょう。
「伸二は孤立すると機能しない」とするならば、つまり伸二を孤立させなければいいわけです。
そのためには、伸二自身に運動量を望むか、周囲がフォローできるようにすれば良いわけです。
それには最終ラインを押し上げ、中盤をコンパクトにする(中盤に選手を密集させる)、というのが恐らく根本的な解決策ですが、時間帯や対戦相手の特徴によっては難しいこともあります。
また、現時点のレッズはそのあたりを完成させるにはまだ至っていません。
そこでこの試合で、長谷部が投入されて後、チームが機能した事実が重要になるのです。
過去の試合にあるように、伸二を中盤の底の位置に置くならその隣の左サイドに相馬、伸二を左サイドに置くならその隣の中盤の底の位置に長谷部といったように、運動量の豊富な選手を配することが、短期的な解決策となりえます。
相馬はいま怪我でチームを離れていますが、長谷部はチームに戻ってきました。
今後のオジェックが、そうした短期的な解決策を取っていくのか、さもなくば飽くまでも抜本的な解決策を実現させるように努力を続けるのか、今後も注目していきたいと思います(後者を取りつつ、必要に応じて前者を併用するのでしょうが)。
さて、この試合においては、多くのレッズサポーターが遠くシドニーへ駆けつけました。
私は観戦・応援というのはあくまでも自分の楽しみのために自分主体でやっていることであるというスタンスを取っています(だから自分も欠かさず観戦して「偉い」、などとはあまり言われたくない気がしています)。
だからその場へ駆けつけた仲間たちに対し、「ありがとう」とはあえて言いません。
「レッズサポここにあり」ということを日本の境を越えて世界に示したことに対して、私は「羨ましい」と言いましょう。
まったく羨ましいです。
もう一つ。
最近新しい日本代表選手のリストが発表されました。
その中にレッズの誰々が選ばれてない、なぜ選ばれてないのだ、などという人もいるでしょう。
それについてはこう言いましょう。
我々は、クラブごと(もちろんサポーターもコミです)日本代表に選ばれたわけで、今アジア予選を戦っているのです。
だからこそ、それに重ねて選手が代表に選ばれたか、あるいは選ばれてないかなどというのは枝葉に過ぎないことなのだと。
そんなことを感じた試合でした。
試合自体は面白かったし、勝てなかったことは(勝てそうだっただけに)残念ではありますが、一時は2点差に引き離されたことを思えば、上出来だったと納得できます。
それにチームの進歩の跡も見えました。
これは次につなげられる、そう思います。