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高円宮杯(U-18)決勝 滝川第二高vs名古屋グランパスエイトU18

チケットをもらったので見に行ってきました。

前々日に熱狂の坩堝と化した埼玉スタジアムでしたが、この日はのどかな雰囲気に包まれていました。
滝川第二高校(以後滝二と略)の応援団は南側サイドスタンドに陣取り、名古屋グランパスU18(以後グランパス)のサポーターは北側サイドスタンドに陣取って声援を送っていました。
グランパスは前々日の7日にホームでリーグ戦を戦っていますから、あのサポーターたちは関東在住というのでなければ、この試合のためにわざわざ名古屋から駆けつけたのでしょう。「UN」(Ultra Nagoyaの略でしょうか?)というような段幕も見えました。
驚いたのはその北サイドスタンドの最前面に選手一人ひとりの段幕が並んでいたことです。
ちょっと数えた限りでは14枚ほどあったようですから、恐らくレギュラーでない選手の分もあるのでしょう。
ああした段幕は親御さんが作るのか、それともこの歳にして個人ファンが付いているのか、ともかくグランパス恐るべしです(笑)

この決勝戦の場に仮にレッズユースが進んでいたとしたら、北サイドスタンドは恐らく普段のような赤い段幕やチームの旗で彩られたことでしょう。
個別のサポーターチームの旗は出ないでしょうが、もちろん「YOUNG REDS」の段幕も出るでしょうし、「男塾」も出たに違いありません。
グランパスのように太鼓が叩かれることはないでしょうけれども。

滝二の応援団はゴール裏とバックスタンドの二箇所に別れて陣取っていました。
サッカー部員と一般生徒と言ったところでしょうか?
滝二は正ユニフォーム(グランパスも正ユニフォーム)の白シャツに紺のパンツ、胸に「TAKIGAWA II」、背中には「ESPERANZA」という文字が書かれています。これはスペイン語で「希望」でしたっけ?

両チームともいわゆる4-3-3、4人のDFに1トップ+2シャドーというようなシステムで相対します。
見た目ではグランパスのほうが背の高い選手が多く、個人的な技術でも優れたものを持っている選手が多いようです。
一方の滝二は170cm代前半の選手が多いようでしたが、足腰など体幹がどの選手もがっちりしていて、良く鍛えられているのが見て取れます。
クラブユースというものが一般的にセレクションなどによって質を厳選したエリート集団とでも言うべきものになっていることを考えれば、滝二の170cm前半ぐらいというのが、この年代の運動神経に優れているという意味での一番おいしい層なのかなと考えたりしました(滝二も強豪として名が通っていますから、本当に一般的な環境よりも恵まれているかも知れませんが)。

グランパスは長身を生かしたポストプレーという武器を持ち、なおかつ足元も使える10番の久保選手を1トップに、7番花井、19番新川両選手という全国でも名を聞く選手を自由に動かします。
守備陣では6番の三宅選手が、坊主で長身(186cm)でなおかつグランパスのユニフォームを着ていることもあり、良くJで見る長身ブラジル人DFのような存在感を見せていました。

一方の滝二で目立っていたのは2シャドーのところに位置した11番の多田選手。右ひざに巻いたサポーターが多少痛々しかったですが、その強引なまでのドリブルには迫力がありました。
試合そのものはグランパスが主導権を持って進めるのですが、滝二が鋭いカウンターでグランパスゴールを脅かします。
そんな中、グランパスゴール前まで攻め込んだ滝二が、後ろから走りこんできた(多分1トップだったはずの)森本選手が見事なミドルシュートをゴールネットに突き刺して先制するのです。

私は滝二の黒田監督が今年限りで退任(来年からヴィッセル神戸の育成部門の責任者に就任)するということでしたので、やや滝二寄りの心情で見ていました(応援していたというよりは、そういう展開が見たいなぁという好奇心のようなものですが)。

後半に入ると、滝二がペースを握ることが多くなり、上述の多田選手の見せ場が多くなってきます。
まずはドリブルでペナルティエリアへ切り込んで倒され、PKを獲得、これは蹴った選手が外してしまって得点には結びつかなかったのですが、後半35分には、これはドリブルではないのですが、パスを受け、思い切り良く蹴りこんだシュートがきれいに決まり、チームを力づける2点目として決まりました。

2点のビハインドを背負ったグランパスは遮二無二攻めますが、滝二は粘り強く守り、終了間際にはもう1点を加えて結果的には3-0という大差で滝二が勝ち、黒田監督に最後の年で最初の全国タイトル(とアナウンスが言っていた)をもたらしたのでした。

試合後、高円宮妃久子様や川淵キャプテンなどから表彰を受けた後、黒田監督は胴上げをされ、選手たちはグランパスサイドも含む会場全周に挨拶をしたのですが、記者席には解説者の後藤建生氏の姿もありました。
また、かつて滝二でコーチを務めていたということからでしょうけれど、ゲルトがピッチに姿を見せて、黒田先生に挨拶をしに行き、一緒に携帯電話のデジカメで写真を撮っていました(笑)

試合全般を通してみると、試合を優位に進めたのはグランパスでした。
久保選手にロングパスが通ると、それはほとんど止められなかったですし、新川選手などの動きも悪くありませんでした。ただし、ちょうどレッズのトップチームでワシントンがそうなることがあるように、ボールを持てるために、ストライカーであるべき久保選手が、最前線ではなく、サイドに流れてしまい、結果としてボールを受ける側ではなく、ボールを出す側になってしまうこともありました。
また、滝二は重心を低く、安定した姿勢でピッチ中を動き回り、ミスはありましたが、そのミスをうまくリカバリーしました。

クラブユースチームが勝つことが、クラブユースの手法の優位を証明すると考えるような立場(があるとすれば)からは、今年クラブユースチームが勝てなかった(過去5年間で言えば、01年高校、02年高校、03年高校、04年クラブ、05年クラブと来ている)ことは残念と言えるかも知れませんが、これもひとつの流れを物語っているようで興味深いです。

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