数字的には『完勝』ですが、内容を見れば『快勝』とはいえない試合でした。
レッズはサイドではボールを持てるのですが、そのときには相手が決まって8~9人陣地に戻っている状態で、遠くからクロスをあげても中で跳ね返され、奪われたボールは前線で待つFWにすばやく供給され、数は少ないながらもピンチにつながりました。
原因がレッズ側の展開が遅いことなのか、あるいは相手の戻りが早いことなのか、恐らく両方なのでしょう。
レッズを抑えるには、中にいるワシントン、ポンテをがっちりマークして、左サイドのアレックスもマークしてクロスをあげさせないようにするか、あるいはこの試合でそうだったように、せめてなるべく遠目からあげさせるようにすればいい、と言うことは、ドローに終わった第6節グランパス戦、ロスタイムのゴールで逃げ切った第7節アビスパ戦でも明らかになっており、この日のサンガにも同様にされて少なくとも前半は苦しめられたことから、今後ともに苦戦は続くことが予想されます。
ましてこの後はエスパルス、アルディージャとそういうことは得意そうなチームと対戦するのですから。
ごくごく一般論として言えば、そうして引かれたときの処方箋はロングシュート・ミドルシュートです。
あるいはエンドラインから戻すようなパスで、相手のDFにゴールへ向かいながらのプレーを強要して、人数を意味のないものにしてしまうか。
この日の長谷部の先制点は後者によるものでした。
好調なときの永井、あるいは達也がいれば、1対1のドリブルで勝つことによって相手の陣形を強引に混乱させることができますが、二人とも負傷から復帰するところであり、すぐに好調を取り戻すことは見込めません。
このゲームの後半は、ハーフタイムの檄もあったらしいのですが、動きの良くなっている時間帯で幸運にも点を取れました。
相手が守備を固めている真ん中をパスで崩して得点するというのは爽快なものですが、そうそう成功するものではありません。
あるいは、同様に中を固めている相手に長いクロスを通して得点するというのも。
ワシントンもポンテも、あまりスピードのある選手とは思われていないところもありますが、スピードのある攻撃には十分対応できます(例えばここしかないというタイミング・ポイントに走りこんでいるとか)。
ワシントンなど、プレー中にスペースに要求するしぐさが多かったこともあります(足下や頭ではなくて)。
レッズはもとより速い攻撃が得意と見られていることがあり(実のところFWが速いだけという面もありましたが)、それをこの豪華布陣の中でも引き続き生かしていかなければ、選手たちもなかなか生きないということでしょうか。