レイソルとはいつもシビアなゲームになります。
【柏レイソル】 ---------16川浪②-------- 02御牧③--18茨田②--07島川③--13酒井③ ---------08仙石③-------- ------06畑田③--22武富③----- ---09比嘉③--19工藤③--11山崎③-- . ------09岸③---11武富③----- ---14原口②--10田仲③--07高橋峻③- ---------08山田直③------- 02池田③--03和田③--04菅井③--05森田② ---------01慶徳③-------- 【浦和レッズ】 (40分ハーフ) '32 浦和【警告】08山田直③(通算1枚目) '71 浦和【交代】09岸③→12藤田③ '71 木白【交代】13酒井③→20指宿③ '89 浦和【交代】11武富③→19葺本② '93 浦和【得点】19葺本②(アシスト:07高橋峻③)1-0 '93 木白【得点】20指宿③ 1-1 '97 浦和【交代】14原口②→17大里② . (PK戦) ┌──┬───┬───┬───┬───┬───┐ │ │07高橋│10田仲│02池田│08山田│05森田│ ├──┼───┼───┼───┼───┼───┤ │浦和│ ○ │ × │ × │ ○ │ ○ │ ├──┼───┼───┼───┼───┼───┤ │柏 │ × │ × │ × │ ○ │ - │ ├──┼───┼───┼───┼───┼───┤ │ │09比嘉│20指宿│11山崎│19工藤│ │ └──┴───┴───┴───┴───┴───┘
高円宮杯日本ユース選手権の決勝トーナメント1回戦は、小雪舞う広島ビックアーチで行われました。
対戦相手は柏レイソル。練習試合、公式戦と数多くこなしてお互いに相手の長所も短所も知り尽くした相手で、それだけに試合は膠着して紙一重の争いになります。
とは言え、前半15分過ぎから後半15分ぐらいまでは明らかにレイソルのゲーム。
ボール支配率を計算したらきっと55~60%くらいにもなりそうな形でハーフライン前後からレッズ側サイドでゲームを進めました。
しかし、公式記録(PDF)を見る限りでは、前後半の計80分を通じて、レイソルのシュートは2本しか記録されていません(レッズは7本)。
これは記録員の数え方という問題もあるかもしれませんが、我々の隣で教え子達に「見ろ、サイドバックがあんなに高い位置にいるんだぞ。どうしてあんな位置を維持できるのか、しっかり見ておくんだ。」とレイソルのプレーを絶賛していた恐らく地元の少年団か何かの指導者たちがいみじくも語っていた通り、「ボールキープって言う種目があったらレイソルは優勝ですよね。」「でもそんな種目はないからねー。」という言葉に集約できるのではないかと思います。
レイソルはゴール前にボールを運ぶやり方には何十通りも選択肢を持っているのに、実際にシュートを撃つ段になると、個人に強引に行かせるしかなくなってしまって、レッズが前進を抑え気味にしていたサイドの池田くんと中の菅井くん、和田くんに潰されるということを繰り返していました。
PKでの決着というのは、実は3回目になります。
- 2005年12月17日 高円宮杯第17回全日本ユース(U-15)サッカー選手権決勝トーナメント1回戦
- 柏レイソルU-15 1-1(PK1-3) 浦和レッズJrユース
- 2005年08月18日 第20回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)決勝トーナメント1回戦
- 浦和レッズJrユース 2-2(PK4-2) 柏レイソルU-15
この2つの(よく知られた)試合の以前に、
- 2002年08月02日 第26回全日本少年サッカー大会準決勝
- 柏レイソルU-12 0-0(PK2-4) FC浦和
実に3年前にもPK戦で勝負がついています。
もちろんFC浦和はそのまま今の浦和レッズJrユースではありません(当時FC浦和の武富選手などは今はレイソルにいます)が、この試合にも出場していた比嘉選手や仙石選手と言った面々は、田仲くんや山田直輝くんのいるチームに実に3度までも栄冠の座を阻まれているのです。
ですが、この3度目の機会で、優勢に進めていたレイソルからは「絶対にリベンジする」と言った種類の気合は残念ながらあまり感じられませんでした。
レッズは、システムや決まりごとなど、どちらかといえばオーソドックスなスタイルを取っています。
レイソルのようには恐らく「指導者受け」はしないかもしれません。が、「勝ちたい」という気持ちが素直にプレーに出るやり方を取っているのではないかと思います。
その差が、結局のところこの日の勝敗を分けるポイントになったのではないか、そんな風に思うのです。
クラブユースというものの存在意義として、プロの技術を持った選手を育てるというものがあり、その目的のためには勝敗にこだわりすぎるべきではないという考え方もあります。
しかし、どんなに技術を持っていても、ハートを表現する術を持たない選手は、観客を驚かすことはできても、サポーターに共感を与えることはないのではないかとも思うのです。
後半15分過ぎには、衰えを見せ始めたレイソルの選手の運動量とは対照的に、延長戦で足が攣るまで力を発揮できたレッズの選手のメンタルの強さは、最近の若い指導者にありがちなテクニック・システム信仰からは生まれてこないのではないか(もちろんこの学年のレッズのそれは、レッズの指導者だけが育てたわけでなく、FC浦和時代から培われたものであるのは間違いありませんが)、そんな風にも思いました。
前後半通じて両チームとも決定的といえるようなチャンスはお互いになかったのですが、延長前半にまずはレッズがレイソルディフェンスラインを突破して山田直輝くんが撃ったシュートがサイドネットを直撃したシーンの後、だいぶ押し込まれるようになっていたレイソルがDF裏にロングパスを出し、そこへ走りこんだ比嘉選手がGKと1対1で撃ったシュートが枠を外したシーンが続き、延長後半には高橋峻希くんの右サイドの崩しから中の藤田くんのシュートがGK正面をついたシーンがあって、延長後半3分、中盤でボールを受けた藤田くんからとっさにディフェンダーの間に走りこんだ高橋峻希くんに狭い地域を抜ける縦パスが通り、さらに後ろから飛び出した葺本くんに峻希くんがレイソルDFの足許を抜く横パスが通り、ついにレッズが先制します。
しかし直後のキックオフからボールをあれよあれよとつながれてGKと1対1を決められたあたりは、夏のクラブユース選手権のリプレーを見ているかのようでした。
同点のまま終了して迎えたPK戦では、PKは止めたことがないと言っていたらしい慶徳くんが1人目から3人連続でストップし、レッズは峻希くんが決めたあと田仲くんはバーに当て、延長後半には足を攣らせていた池田くんがGKに止められますが、1-0で迎えた4人目を山田直輝くんがきっちり決め、5人目の森田くんが勝負を決めるシュートを成功させました。
3年前の全小ではレイソルにPK勝ちして決勝へ進んで優勝、夏のクラブユースではレイソルにPK勝ちしたあと、やはり決勝まで進んで優勝を果たしています。
決勝はレッズサポが待つ(と思われる)国立です。
この日の親御さんまで合わせても6~7名の応援団でしたが、ここを勝ち抜いてこそ、栄光を掴むことができるのです。