アルビレックスは70分以上1人多い状態でプレーしていたわけですが、ニッカン式スコアを見る限りでは、ボール支配率、シュート数ともレッズの方が優勢です。
なぜこのような結果が出たのでしょうか?
アルビレックスはゴール前に人数を集めることで守備を固め、ロングボールを前線の長身FWに当ててカウンターを狙うチームです。
先日の対戦では、前線にいた船越選手があまりにも何もできないのに失笑させられましたが、この日はFWの選手は主審の保護を受けていたため、この単純な放り込み戦術も強力なものになりました。
1点目の失点ですが、高い位置のフィフティフィフティのルーズボールに2人の選手が飛び込み、そのプレーで痛んだアルパイが(しかもこのプレーでイエローが出ています)、ピッチに戻るのを主審によって遅らされたため、戻りきれないでいるうちに決められたものでした。
そしてアルパイはボールに行ったスライディングで2枚目のイエローを貰い退場。
このプレーで異議を申し立てなくなったのは、彼が堪えているのが見えて切ないものがありました。
アルパイは世界的な基準の選手です。オールドトラフォードでのボカ戦でも、埼スタのHSV戦でも、相手の攻撃的な選手をしっかり抑え、その結果として相手の監督から評価を受け、試合後は相手チームの選手にユニフォーム交換を求められて歓談する選手です。
その彼がスライディング一つさせてもらうことができない。
残念ながらこの国には世界的なレベルのDFが育つのは不可能でしょう。同時にそういったレベルのFWも。
この日の砂川主審ですが、アルパイの退場もそうですが、判定基準がまちまちでした。
前半26分前後の平川がパスを出した後、アルビレックスの外国人選手にスパイクの裏を見せるスライディングをされた時、これはまったくプレーと関係ない(ボール持ってないわけですから)ところの反則なのに、相手にはカードが出ない(このプレーで痛めつけられた平川は前半28分に交代しています)。
48分の暢久のカードは、同じようにライン際で相手のボールフォルダーに絡んだだけなのにカードが出る、後半33分前後にゴール前で相手選手に後ろから暢久がなぎ倒されたプレー(このプレーの後しばらく暢久は立てませんでした)にはカードどころかファールすら取られない。
アルパイが正当に見えるチャージで反則を取られたため、残った他のDFは、相手を倒すのを恐れ(ファールを取られ、カードを貰いかねませんから)、ずるずる下がるようになります。
これがこのゲームで単にロングボールを放り込むだけのアルビレックスがゲームを優勢に進めた理由です。
実際のところ、アルビレックスがチャンスを掴んだのは真ん中からの攻撃(つまりロングボールのみ)だけで、左右からの攻撃はほとんど実になっていませんでした。
2失点目はロングボールを細貝が競り負けたもの。3失点目もDFが競り負けたところがあったのではないかとぼんやり覚えています。
志の高いサッカーを志向するとされている反町監督ですが、まったく前線の個人能力頼りの「志の低い」サッカーに堕しています。まぁもともとの評判が大げさであったのでしょう。
今日は前半のうちになんとなく3点を取ったアルビレックスが勝ちましたが、試合としてはまったくの凡戦でした。
他のゲームとの関係ではありますが、結果としてアルビレックスが決勝トーナメントへ進めなかったのは、まったく正当な結果であったと思います。
この日、レッズは普段と少し違うメンバーを起用したわけですが、闘莉王はまだ足の具合など本調子ではないようです。彼が低いポジションを取るため、周囲のDFが少し不利な状態でボールに行かざるを得ないシーンが何回かありました。
酒井は、攻撃時にボールに触る機会が何回かありましたが、一人少ないという状況もあって、思い切りの足りない欠点が目立ってしまう結果となりました。
終盤、赤星などが中心になってカウンターを仕掛けましたが、どうしても前線に人数が足りないために攻めきれない、そんな状況に彼は関わっていたと思います。
西谷は一人少なく、ほとんど4バックになっている状態で投入されたこともあって、HSV戦で見せたような思い切りのいい攻め上がりは影を潜め、守備に長い時間負われることになりました。
ただそれでも何回かチャンスに絡んではいました。
細貝は高さがあると言われる長所はあまり発揮できませんでしたが、ボランチとしては無難にプレーしました。ただそれよりも、試合終盤、赤星、横山、達也と組んで懸命にカウンターを繰り出していました。
彼はほとんど攻撃的MFとしてプレーしていたようなものですが、こうしたプレーこそが彼の真骨頂なのでしょう。
赤星は双方がバランスを崩していた時間帯の投入とはいえ、確かにチームを引っ張りました。
細貝とのコンビは代表で古くからということらしいですが、他の動く選手との組み合わせで、アルビレックスのディフェンス陣を小気味よく切り裂きました。
横山は早い時間に4バックのような形となってサイドが使えないようになったため、前線で孤立することが多く、消えている時間も長かった気がします。
彼の場合、やはり1人で打開することはできません。その代わり、終盤のカウンターの局面ではボールに多く絡みました。
まぁしかし、細貝、赤星、横山といった若手からは3点差になった終盤、何とか点を取ろう、自分の力を見せようという気迫のようなものを感じました。
望むらくはチームのほかのメンバーからも同様の気迫を感じたかったものです。