まだシーズンを終えてはいませんが、今年はオリンピックなどの影響もあり、シーズン終了が遅くなっています。
シーズンが終了するとすぐに契約の更改が行われます。
本題に入る前に、まずはちょっとJFA(日本サッカー協会)の契約制度についておさらいを。
契約の種類
JFAでは「統一契約書」という書式の形で、プロ契約のあり方を一元的に管理しています。このプロ契約の規定を読むと、一般的にはプロ契約は2月1日~1月31日と想定されているようです。
1月31日までの期限に対して、期限2ヶ月前の1ヶ月間(12月1日~12月31日)は原則として現所属クラブと選手の間で専属的に交渉を行う期間として、現所属クラブは11月30日までに選手に対して翌年の契約の意志と、基本報酬額などの条件を提示することになっています(これが「ゼロ円」だと再契約の意思がないっていうやつです)。
契約の種別
一方、99年から、人件費の高騰の抑制と、戦力の均一化を目的として新しい規定が定められました。いわゆるプロA契約、プロB契約、プロC契約という契約の種別とプロA契約についての人数制限枠ですね。
この規定の中では、高校・大学などを出た新人選手は、プロ入りすると全てプロC契約という種類の契約をすることになっています。
この種類の契約では、基本報酬額などに上限が設けられていること、契約更新の際に他クラブへ移籍する場合には、基本報酬額などの提示にもよりますが、平均基本報酬額に「移籍金算出基準」の年齢別係数を乗じたものを移籍金の上限と定めることにより、基本的に現所属クラブを保護する仕組みになっています。
このプロC契約は、締結後3年を経過するか、規定試合出場をクリアすることにより、選手はプロA契約へ移行する資格を持つことになります。
このプロA契約は、契約初年度だけ基本報酬額に制限が設けられていますが、2年度以降は自由となっています。
こうした仕組みにより、新人選手に対する期待だけで報酬額が高騰したり、育成過程の若手選手の引き抜きを防止したりする効果が期待されているわけです。
残るプロB契約は、プロC契約を締結している選手が、プロA契約を結ぶ資格を得た際に、クラブ側から提示するか、年額480万円(プロC契約の上限額)以下のプロA契約をクラブ側が提示した場合に、選手側が選択をすることができる契約の種類です。
この種類の契約は、基本報酬額などについては、プロC契約と同様ですが、移籍金の上限は30万円×在籍年数となったり、契約更改の過程で選手が望めば、移籍リストに登録しなければならなかったりするため、基本的には選手が移籍しやすい契約となっています。
人数制限
プロA契約には人数の制限があります。いわゆる25人枠というのがそれですが、これには例外があって、年度途中でプロA契約へ変更した場合や、自クラブの下部組織出身の選手がプロA契約を締結した場合は3年間枠外とする規定、怪我・疾病等で協会から認められたもの、海外研修からの帰国、期限付き移籍中の選手(移籍先の枠に入る)などがあります。
なお、ACLに出場するチーム(=去年の天皇杯覇者のジュビロと今年のチャンピオンシップ勝者)はこの枠を27人とする話もあるようです。
さて、チャンピオンシップは12月11日に終わります。
しかしながら、クラブにとっては11月30日までには来期の契約を決定しなければならないわけで、枠が25人なのか27人なのかわからないうちに陣容を決定しなければならないという矛盾もありますね(+2人のところについては、期限付き移籍などによって獲得することを想定しているのですかね)。
レッズの現状
で、実際のところ、レッズの場合は現状はこんな風になっています(予想含む)。(山岸、坪井、アルパイ、闘莉王、室井、山田、酒井、山瀬、永井、エメルソン、田中、鈴木、平川、千島※、三都主、長谷部、内舘、堀之内※、小林、都築、岡野、ネネ)
千島→2000年プロC契約、2003年プロA契約移行、2005年まで25名枠外
堀之内→2002年プロC契約、2004年プロA契約移行(2004年は25名枠外)
【プロC契約5名】
中川→2003年プロC契約、2006年プロA契約移行(予定)、2008年まで25名枠外
南 →2002年プロC契約、2005年プロA契約移行(予定)
横山→2004年プロC契約、2007年プロA契約移行(予定)
加藤→2003年プロC契約、2006年プロA契約移行(予定)、2008年まで25名枠外
新井→2004年プロC契約、2007年プロA契約移行(予定)、2009年まで25名枠外
【期限付き移籍中5名】
西部(プロA契約)
三上→2004年プロA契約(移籍先の京都で達成)
西村(プロA契約)
徳重→2002年C契約、2005年プロA契約移行(予定)
梅田(プロA契約)
現時点でのプロA契約(25名枠)対象選手は20名ですが、次回契約の際には堀之内、C→Aへ移行の南を加えて22名となります。
現在期限付き移籍中の5名も、来年度は全員プロA契約ですから、総数で27名となるわけです(中にはプロA契約の資格を満たしつつ、プロB契約を締結している・する選手もいるかもしれませんが)。
日程的にも、初めから27人枠を当てにして計画を立てることはできません。
となれば、幾人かはチームを離れることが考えられます。
レッズ以外のチームでも今ごろは戦々恐々としながら、来年どうするのか、選手にどう伝えるのか知恵を絞っていることでしょう。
特にチャンピオンシップや入れ替え戦に出るか、出そうなチーム、賞金額がクラブの財政に影響するほどシビアなところとか。
レッズでも、チャンピオンシップを控えた中で、うかつにチームに影響があるようなこともできず、来年ACLなどに出場することを織り込んでチームを作るためには現時点で多少出場機会が少なくとも、経験のある選手は必要ですから(昨年のマリノスがユース選手を2ndチームに起用したことを考えてみてもいいです)、このあたりのさじ加減はなかなか難しいものがあります。
こうした中で助けになるのは、A契約後3年間は枠外として計算できる下部組織出身の選手と、C契約でもある程度計算できる実力を持つ選手です。
つまり、トップチームでの出場機会はもう一つ掴みきれていないものの、サテライトではもっとも多く得点しており(サテライト:3点、教育リーグ:6点)、トップチームの公式戦での出場経験、得点もある千島、昨日来シーズンからの加入内定が発表された細貝選手(前橋育英高)や近藤選手(東福岡高)、昇格が濃厚と言われ、先日のレイソル戦で公式戦出場を果たした大山選手(浦和レッズユース)なども最初から実戦力として期待せざるを得ないのかも知れません。
何せ、2チーム作るとすれば、16人×2の32人は必要なわけですから。
怪我人が出る可能性も考えなければいけないし、ACLの時は多くて良くても、普段はやはり30人前後でないとトップとサテライトと一緒に練習することもかないませんし…。
「来年のことを言うと鬼が(以下略)」という向きもあるかもしれませんが、チーム編成作業は今まさに本番を迎えているのです。
