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外人部隊

某氏のコラムで大きな反響を巻き起こしました。
もう賞味期限切れのネタですが。

「外人」が多いとなぜいけないのか?
それは「外人」が日本人より優れていると言うことが前提として考えられているからです。
現実には、日本以外の国籍を持つ選手であったとしても、確実に日本人よりいい選手であるとは限りません。
特に最近は日本人選手のレベルも上がっていますから、たとえ実力を評価されて外国から呼ばれた選手であっても、どんな日本人をも凌駕するというのは難しいと思います。
しかしながら、それでも外国籍選手が重宝されるのは少ない投資費用で簡単にチーム力を上げられるからでしょうか。

例えば、アルパイやネネ、エメといった選手と同じレベルの日本人選手を獲得しようと思えば、それは大変なことです(恐らく最低でも日本代表に選ばれるような、所属チームでも主力となるレベルの選手でしょう)。あるいは、そのようなレベルの選手はそもそも日本にはいないかもしれません。

外国籍選手として来日している全ての選手が同様とはいえませんが、少なくともそれなりに有力な日本人選手と同じくらいの実力を期待されているのは間違いないでしょう(たまに日本で育成するとかいう名目で呼ばれる若手外国籍選手もいますが)。
そういう期待ができる日本人選手を獲得するのはコネもカネもタイミングも運もなければ難しい、だからこそ戦力均衡のため、外国籍選手の人数には規制があるといっていいでしょうか。

さて、外国籍選手はその実力以外にチームに及ぼすものがあります。
それはメンタル面での影響です。
本来言葉が通じない、コミュニケーションが取りにくい外国籍選手ですが、日本人には少ないハングリーさや、勝利への執着心を持っているといわれます。

ジュビロに元ブラジル代表主将のドゥンガ選手がいた頃、何度彼のような選手が欲しいとジュビロ以外のチームのサポーターが望んだことでしょう。
停滞しているチームは選手もバラバラになってしまい、そのためにさらに停滞する、そういった悪循環からチームを救う、強いリーダーが必要であると望まれたのです。

ギドが監督に就任して、三都主(アレックス)、闘莉王、酒井の3人の「日本人」を獲得します。

このうち、アレックスは元々日本有数の左サイド攻撃的選手の一人と評価される実力を持っていましたが、それ以外でもエスパルスで一時期キャプテンを務めるなど(キャプテンとしての評価については色々ありそうですが)、元々気持ちの強い選手です。
生真面目でなんでも自分に背負い込みそうな印象がありますが、負けず嫌いで、チームに貢献したいという気持ちは強い選手です。

そして闘莉王。サンフレッチェに入団して、ホーリーホックへ期限付き移籍した頃はこれほどの選手とは思われていなかったのではないでしょうか。
身長があって高さと当たりに強く、キック力があって強いハートを持っていても、外国人枠に阻まれたこともあってか、サンフレッチェ時代にはレギュラーを取るには至りませんでした。
ホーリーホック時代には中心選手として攻守に活躍し、メンタル面でもチームを引っ張る選手となり、日本国籍を取得、期限付き移籍の終了後にレッズに移籍し、オリンピック代表でもチームをピッチの内外で引っ張りました。

アレックスのようなキャプテン気質というのか、まじめでチームに貢献する選手は日本にもよくいます。しかし、彼ほど勝ちにこだわる選手は稀です。
そして闘莉王に至っては、彼のようなキャプテン気質というより「親分気質」を持つ選手はちょっと日本国内では育たないのではないでしょうか?だって日常的に彼が隣にいたらちょっとウザイでしょ?(笑)
悪く言えばわがまま、唯我独尊な気質の子供がいても、小さい頃に矯正されるか、サッカーはやらないかもしれません。

そういう気持ちの強い選手が中にいることで、チームは大きな刺激を受けます。日本代表でもオリンピック代表でも、たとえ実力的に彼らよりも優れている(あるいは安定している)選手がいたとしても彼らがチームから外れることがなかったのは、そこを評価されてのことでもあるでしょう。少なくとも「ブラジル系だから」ばかりとは言えますまい。

他にもエメ、アルパイと日本育ちでは考えられないほど勝ちに貪欲な選手がいて、(ドゥンガを目標とする選手と語る)啓太あたりが煽ったことがダイレクトにチーム全体に響く環境が出来上がっています。
普通そういう場合、震源地から最も遠いのがある程度実力があって、ポジション(これはピッチ上だけでなくて、チーム内のという意味も含んで)を確保しているベテラン選手ですが、そうした選手の典型になりそうな暢久がチームのキャプテンに任命されて否応なくチームの先頭に立たざるを得なくなり、一時期はパフォーマンス不足でメンバーから外され、代表に選出され、また外されたこともあって、目の色を変えつつあるのです。
長谷部などは、そうしたチームの中で、自分のことだけに集中できる環境があることも成長の要因の一つとして挙げられるでしょう。

こうなればチームは枯草の茂る荒野ようなもので、火をつければ一斉に燃え上がります。火がつくのには時間がかかりますが、いったんついたらなかなか消えない木(ベテラン)も燃えているので、いっこうに火勢が衰えません。
そうしてこの個性的な選手を従えるのはブッフバルト監督。彼ほどの名声、カリスマを持った相手であれば、選手は素直に従いますし、例えばインタビューの際、彼はよく審判を非難しますが、そうして選手を守る姿勢を見せることで、またチームをよく統御しています。
エメが得点した後、昔は通訳のバリさんにしか抱きつきに行かなかったのに、今はギドにも抱きついてるでしょ?(オフト時代も後期はオフトのとこに行ってましたが)

もちろん前監督のオフトとヤンセンが種を蒔いて、地盤を整備した上に今のチームがあることに間違いありません。そして昨年のナビスコカップ優勝による自信が。
その上に石造りの重厚な城壁を築いたのはギドとエンゲルスの仕事です。
このチームがこの後どんな結果を残すにせよ、それがかつてのような「砂上の楼閣」とは異なるのは明らかです。

「外人部隊」と揶揄されがちですが、才能や実力ばかりでない、精神的な強さ、日本のサッカー界がなかなか生み出せないでいるそうした点にも考えを及ぼした方がいいのではないかと思います。
成功することにより、そうした外国籍選手たちの気質が、周囲の日本人選手も感化していきます。ジュビロがドゥンガを欠いた後も強さを誇ったのは(そして同時になかなか代わりとなる選手を見出せないでいるのも)そのためでしょう。

少なくとも私は、「勝ちたい」と強く望む男達が、同様に強く望むサポーターの前で、安定した実力を発揮する姿に「違和感」は覚えません。
そして彼らが、我々と同じその望みを叶えることを確信しています。

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