この試合の感想を一言にすると、「壮大な泥試合」といったところでしょうか。
もちろん悪い意味ではありません。少なくとも我らがレッズにとっては。
首位のジュビロ磐田と2位の横浜Fマリノスが同節に直接対決するとあって、3位のレッズと4位のジェフの対戦も上位を目指す上で、両チームとも落とすことができない対決となっていました。
立ち上がり互角だった試合は、23分のCKからの失点で、あっさりとジェフ側に傾きます。
また、続く28分にはレッズが攻めにかかったところのカウンターで2点目の失点を喫し、レッズにとっては絶体絶命の窮地に追い込まれてしまいます。
ジェフにとっては、得意なカウンターからの展開、2点のリードを奪い、後は攻めなければならないレッズを軽くいなして、もう1点とって止めをさすなり、このままリードを守り抜いても良しと計算どおり(以上?)の展開だったでしょう。
しかし、ハーフタイムの休憩時間中から始まったコールで沸騰したスタンドと、闘莉王を加えて化学反応的に粘り強さをましたイレブンが、これまで考えられなかった興奮をスタジアムにもたらします。
それは、本来水を差されるべきエース・エメルソンの49(後半4)分での負傷退場にも動じませんでした。むしろ、エメルソンに代わってピッチに入った岡野の闘争心が、この興奮に油を注いだというべきかも知れません。
56(後半11)分、CKのプレーから闘莉王がシュート、こぼれ球を前半終了間際に長谷部に変わって投入された永井が押し込んで、1点目を決めます。
72(後半27)分には岡野のパスを受けたアレックスが右サイドに回って突破、ペナルティエリア内で倒され、PKを獲得、判定の直後からペナルティスポットを離れようとしなかった闘莉王がこれを決めて同点に追いつきます。
点が入れば、チームを絶対的に信じてコールを送っているウルトラだけでなく、静観している観客にも火が入っていきます。
それは、ピッチに届くと、同じ音なのにも関わらず、味方の選手にはアドレナリンを分泌させ、集中力を高め、相手の選手には気にしまいと努力させたり、パニック状態に陥らせたりします。
特に拍手の起こす破裂音が相手の選手の集中力を麻痺させ、歓声が相手を浮き足ださせます。
そんな中の80(後半35)分、ジェフGKがボールを持って6秒超過と言うことで間接FKを得、アレックスが蹴ったFKを、混戦の中で最後は岡野が蹴りこんでついに逆転します。
闘莉王、岡野、アレックス、啓太が吼え、山瀬は無言で燃え、平川、永井が跳ねて表現する、「勝ちたい」という気持ちが結実した瞬間でした。
この後ロスタイムに、ジェフにPKを取られ、同点に追いつかれ、ジェフの選手も勝ちたい気持ちを見せてきました。
スペシャルレフリーたる、岡田主審の判定にはいろいろあった試合ですが、終盤両チームが見せた、戦術やテクニックを超えた、意地のぶつかり合いともいうべき肉弾戦には見所がありました。
結果としては両チーム勝ち点1と、勝ち点を失う結果になったのは皮肉なものです。