代表合宿へ参加した坪井、三都主を欠き、アテネオリンピックのアジア地区最終予選から帰ってきた啓太、山瀬、達也を加えたレッズ、どんなメンバーでこの試合のキックオフを迎えるのかが注目されました。
結果は坪井のポジションに平川を下げ、平川のポジションに啓太を、三都主のポジションに達也を入れた、やり方としてはこれまでと同じ形。
しかし、結果として移動したポジションを中心に不慣れさを露呈してしまった感があります。
ナビスコ杯 浦和対大分スコア速報にあるとおり、ボールポゼッションは優勢だったものの、カウンターで脅かされます。
試合開始後4分にはCKからノーマークのマグノ・アウベスに決められて先制を許し、続く15分にはやはりカウンターの局面で左サイドから崩され、高松に決められ0-2、先日のC大阪戦で逆転勝ちを果たしたものの、2点のビハインドで怪しい雰囲気が立ち込めます。
しかし42分には達也の突破をペナルティエリアで止めた高嵜が警告を受け、与えられたPKをエメルソンが決め、1点を返して前半を終了します。
同点は67(後半22)分、ちょっと奇妙なプレーからでした。
- エメルソンが大分の3選手に囲まれながらドリブルで突破しようとしますが、ボールはアウト、線審は大分ボールと判定します(ちなみにこの交錯プレーの後、エメルソンはピッチ外に出て、そのまま山瀬と交代します)。
- 1点をリードする大分はプレーごとに時間を余分に消費しようと努めていましたが、ボールが出た地点より5~6m前でスローインをしようとした大分MF根本が線審に注意を受けます。
- ちょうどその時、ボールが出たあたりに大分DF有村が水を飲みに出ていました。
- 根本は有村のいる高さの、ただしピッチ内にボールをスローイングします。
- 大分DFが有村にスローインさせるために(また、時間を稼ぐために)ボールを転がしたのだろうと判断して足を止める中、永井がボールをカット、主審を窺います。
- 主審はプレー続行を指示、永井はそのままドリブルでゴール右脇まで前進、マイナスのパスを長谷部に送り、長谷部がこれを決めます。
このプレーで大分選手が審判に抗議する中、上記の通りピッチ外に出たエメルソンは動けない様子でひざに手をついて立ちすくみ、山瀬と交代、山瀬はそのままFWとして出場します。
さらに逆転勝ちを狙うレッズは、78(後半33)分に長谷部に代えて梅田、永井に代えて岡野を投入、山瀬をトップ下、梅田を中央に、岡野を右サイドに配します。
その後は梅田のポストプレーなどを使って攻め続けますが、得点できない中、先述の大分選手の抗議もあって5分に渡ったロスタイムに、木島に左サイドを突破され、中で高松に決められ、結局2-3で敗れます。
セットプレーからの1点目を除き(これはこれで問題ですが)、いずれも左サイドから崩されています。
先日のC大阪戦などは、サイドに張り出したC大阪FW大久保を左ボランチに入った平川がマークしました(室井なり坪井なりがカバーに入る)が、この試合では左のDFに入った平川がそうしたポジションの選手について、平川が抜かれると後ろの人数が足りなくなるケースが見られました。
この日の左ボランチにはそれまでの中央から移った酒井が入りましたが、彼は本職ボランチということで中に入る(そしてDFのカバーに下がる)、プレーが目立ち、昨年左ウィングバックとして出場した平川とは守り方について意識のズレがあったのかも知れません。
また、今期初先発となった啓太も平川、酒井ともうひとつ動きが合わないようで、試合中に話し合うシーンもありました。
一方で長谷部は山瀬復帰を意識したのか、ほとんどFWの位置でのプレーが目立ち、啓太、酒井のポジショニング、不慣れなポジションの平川があまり上がって来れないこともあり、中盤はほぼ常に薄く、セカンドボールを大分側にひろわれるシーンも目立ちました。
攻撃では、左に達也、右に永井、中央に好調なエメということで期待されましたが、大分が最終ラインに4人のDFを起用して元々スペースがなかったこと、三都主-永井のコンビであったように左右のポジションを入れ替えて相手のマークを外したりすることもなく、特に達也の左サイドは苦労していました。
ポジションチェンジを頻繁に行う、流動的なシステムが今年のチームの特徴と言って差し支えないと思いますが、付け焼刃ではそれも難しかったようです。
さて、試合後に友人らと飲みに行った際に永井についてちょっと議論になって興味深かったので、ここにも書いてみます。
友人氏の意見は永井は「駄目だ」というもの。
理由としては、ボールをキープできない、ディフェンスをしない、無理目なパスはすぐに諦めるというものでした。
私としては、左サイドが機能しないこの日のシステム(ゲーム終盤以外)の中、唯一の光明であったのは永井と暢久、長谷部などとのパス交換による右サイドの突破であるとすら思えたので、少し意外でした。
確かに、この日は啓太のチャレンジングなパス(永井をスペースに走らせるもの)に対し、永井が無理だと判断して走らないシーンも何回かありましたが、これは間に合うかどうかという判断の是非はともかく、そんなに不可解なプレーではないのではないかと思います。
永井は確かに足元でボールを受けてプレーする機会が多いのですが、逆に彼にはDFをドリブルでかわして突破していく力があり、あえてコースの限られたスペースへ無理やりパスを通すことを選ぶよりも、ドリブルをさせた方がリスクが少ないということもあります。
そのあたりの選手の個性を理解しなければ、見ていてもそう楽しくないと思うのですが・・・。
彼は元来、プレーを失敗したときに上を向いて悔しがる癖もあり、非難は受けやすい選手です。しかし、攻撃的なポジションでは日本でも有数の実力を持つ選手であると思います。
まぁただし、彼に対する評価とは別に、4-2-3-1というような布陣で中盤を厚くする大分のようなチームに対しては、長谷部と山瀬を2トップの後ろに並べた3-5-2というような布陣の方が良かったのではないかとは思います。
次の磐田戦は水曜日にワールドカップアジア地区一次予選の初戦、シンガポール戦を終えた代表が復帰(ちなみにシンガポールとの時差は1時間)し、北京ユニバ大会金メダル組DFの小林宏も復帰間近とのことですが、一方で今日負傷退場したエメルソンが心配です。
メンバーが変わるのにもかかわらず、十分な準備期間がないのは今節と同じです。
アウェーで尚且つ、強豪相手ということで正念場ですが、一方で楽しみでもあります。
コメント (3)
くらげさんはナニモノなのだろうかと本気で思う今日このごろです。
声を枯らすまでサポートしているのに、まるでメインの記者席で見ていたような試合分析を残している!アタシなんぞ試合中は頭カラッポになってしまうのに!ま、それはサッカー偏差値の違いなのかもしれませんね。
今回は一部面白い局面(ウメツァ&岡野)もありましたが、バタバタして難しい試合でした。むしろ大分のほうを褒めるべきなのかもしれません。この借りはビッグアイで返しましょう( ̄ー ̄)
投稿者: Libeliffey | 2004年03月28日 11:06
日時: 2004年03月28日 11:06
そんなたいそうなもんではないですよ。
応援中に余力を残している、というのはあまり褒められたことではないかも知れませんし。
しかし、たとえば相手のFKの時でも、太鼓の人は都築の指示が終わるまで、太鼓を叩きません。
そういうのを見るにつけ、応援は応援として(自分の欲するまま)するべきですが、試合もこれはこれで観ないといけないのだなぁと思ったりもしています。
投稿者: ShibireKulage | 2004年03月28日 11:52
日時: 2004年03月28日 11:52
http://www.jsgoal.jp/club/2004-03/00006609.html
(浦和ギド・ブッフバルト監督コメント)
http://www.jsgoal.jp/club/2004-03/00006607.html
(大分ハン・ベルガー監督コメント)
例のプレーについて、期せずして両監督のコメントが一致しているのが面白いですね。
向こうではあたりまえのことなのか、それともベンチとは逆サイドでの出来事だからよく見えなかったなどで本当にわからなかっただけなのか。
まぁあの得点でレッズが引き分けに追いついた、とか勝ったとかいうことだったらもっと騒ぎになったのかもしれませんが・・・。
投稿者: ShibireKulage | 2004年03月29日 12:45
日時: 2004年03月29日 12:45